活動報告

Love is Free Campaign 第3回配布事業報告

2012年11月 8日 17:09

「これは小さい事業ではありません。子どもの命を救う大切な活動です」


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マラウイでエイズ孤児を始め社会的に弱い立場にいる子どもたちをサポートする「Love is Free Campaign(ラブ・イズ・フリー・キャンペーン)」を通じて、蚊帳配布事業を行ってきた現地パートナーNGO、「コンソル・ホームズ・オルファン・ケア(Consol Homes Orphan Care)」の代表チャポンバ先生の言葉だ。

マラリアはマラウイ全土で発生し、大きな健康問題のひとつとなっている。特に雨季の発生は多く、マラウイ全体で推定約300万人がマラリアに発生している。死亡原因としても大きな割合を占めている。

mudefでは、2008年にマラウイを視察したことをきっかけに、翌2009年よりLove is Free Campaignを開始、これまでの配布を通じて合計2500張の蚊帳を購入、配布してきた。第3回目となる今回の配布は、その売り上げの10%が蚊帳の支援事業に寄付される、チョコレートデザイン㈱からの寄付を元に蚊帳を1000張購入。同数をマッチング寄付として住友化学(株)が購入、寄付することで、合計2000張の配布となった。

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今回の配布はコンソル・ホームズ・オルファン・ケアが運営する各地域の支部で、同センターに通う子どもたちを対象に実施された。数回に分けて行われる配布は、両親をエイズ関連疾患で失った孤児、両親が亡くなってはいないものの社会的経済的に弱い立場にいる子ども、特にサポートを必要としない子どもの順番に優先順位付けを実施。初めの2日間の配布に、mudef事務局長が同行した。

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コミュニティの力

同行した際の配布先は、本部があるナミテテ地区と、その周辺だ。
支部は、各コミュニティリーダーたちが運営にあたっている。地区ごとに支部を建設するプロセスの中で話し合い、リーダーを選び出し、彼女たち(リーダーの多くは女性だ)が支部での日々の活動にあたっている。また、リーダーたちは週に1回、本部でのミーティングに参加し、活動内容を共有し、問題点を話し合う。

各支部の特徴は、リーダーたちのイニシアティブに活動が委ねられている点だ。

どんなに外部から支援活動を強制しても、実際に運営するコミュニティがその意義を理解し、主体的にかかわらない限りコミュニティは変化しない。各コミュニティ自身が必要な活動は何か、そのために何をすべきか、気づくことが大切だ。

「場合によってはうまく機能しない場合もありますが、できるだけ私たちは口出ししません。彼ら自身が気づいて、動かなければ意味がないのです」とチャポンバ園長は語る。

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配布の際にも、コミュニティリーダーがきちんと子どもの登録を行っていない支部では、蚊帳を手渡さなかった。蚊帳の配布は、配布だけで終わる訳ではない。きちんと適切に使用しているか、その継続が大切だ。その意味では、支部にきちんと配布された蚊帳を受け取った子どもの情報がなければ、使用状況をモニタリングすることができない。

適切に登録を行っている支部がスムーズに受け取れることは、これまで登録作業などを進めてこなかった支部にとっても刺激になる。各コミュニティが気づき、自ら変化を行うことが求められている。


コミュニティ自身の変化の大切さは、コンソルホームズの幼稚園の活動でも見ることができる。
「幼稚園で子どもたちがきちんと手を洗い、トイレを使う慣習を家に持ち帰ることで、コミュニティの衛生状況も改善されました」、と話すのは、本部で働くプログラムコーディネーターのルース・マウラナだ。子どもを送り迎えするついでにボランティアから栄養について勉強することで、子どもたちの健康も改善された。

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各支部のコミュニティリーダーは基本的に無給で働いている。しかしコミュニティの要としてコンソル・ホームズ・オルファン・ケアが機能することで、コミュニティそのものが活性化し、発展することが期待されている。

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エリナ、自立への第一歩

Love is Free Campaignの始まりは、マラウイでであった一人の少女だ。エリナ・ステファノ。出会ったときに14歳だった彼女も17歳。将来の夢は学校の教師だ。

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エリナは両親を共にエイズ関連疾患で亡くした。出会ったころは祖母と住んでいたエリナは、現在、mudefの支援で建てられた家に、コンソル・ホームズ・オルファン・ケアのボランティアスタッフと共同で住んでいる。

「彼女が初めてセンターに来た時、彼女は混乱していました。両親を失ったエリナは、コミュニティの定めで母親の出身コミュニティに戻らないといけません。しかしモザンビークの母親の村で生まれ、生後半年でマラウイにやってきたエリナにとって、自分の母親の出身はどこなのか、わからないのです」

マラウイのコミュニティは基本的に母系社会だ。子どもたちは母親のコミュニティを基盤に成長する。幼いときに母親のコミュニティを出て、父親の生家があるコミュニティへやってきたエリナにとって、「母親の出身地へ戻る」ことは、今までの生活基盤全てが奪われることになりかねない。

チャポンバ園長はエリナの今までの生活を守ることを第一に考えていた。

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2010年、mudef事務局長が訪れたとき、エリナの家は老朽化により崩壊、住むことができなくなっていた。mudefの支援によってエリナの家を再建するときに、チャポンバ園長はまずエリナが家を持つだけではなく土地を正当に所有するようにした。エリナ自身が財産を有することで、世帯主としてエリナの生活基盤を確立できる。そのことにより、エリナが住む場所を追われ、行き場を失うことを回避できる。

mudefではチャポンバ園長との打ち合わせを通じて、エリナが生活を自立して送れるように、メイズなどの種と肥料の代金を、チャポンバ園長を通じてエリナに渡すように手配した。畑を耕すことで、彼女自身の最低限の経済基盤を確保できる。また、まだ建設途中の家の半分を貸家にすることで、定期的な収入も期待される。

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自分で食事をつくったり、コンソルホームズ・オルファン・ケアの収入創出活動に参加するようになったエリナ。さらに彼女の活動の幅が広がることが期待される。


配布の視察を終えて

今回mudef事務局長が回った配布先は合計4か所。約200張を配布してきた。残りは登録がされていて、受け取る優先順位が高いと考えられる子どもたちから順に手渡される予定だ。

これまでの3階の配布を終えて、mudefでは当初の目標数に到達できた。到達後、次の支援をどうするのか、その問いかけに対し「私たちが活動している別の地区での配布事業を展開したい」と話すのはチャポンバ園長だ。マラウイでは蚊帳の配布は始まっているものの、安全な蚊帳を入手している家族の割合はまだ十分ではない。

「蚊帳は私たちの生活を守ってくれます。蚊帳をいままで3年ほど使いました」と話す子どもたち。
mudefでは一人でも多くの子どもたちに蚊帳を届けたいと考えている。

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Love is Free Campaign収支報告

収入(チョコレートデザイン㈱などからの指定寄付) 1,765,875円

支出
蚊帳購入、輸送費 504,000円
渡航関連費 665,948円
会合費 15,000円
管理費 264,868円

繰越費 315,969円

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