2014/08/07

Love is Free Campaign サポーターズ通信　Vol.108

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Love is Free Campaign　サポーターズ通信

Vol.108　2014年8月7日配信

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　　　　　　　　　　薬剤耐性マラリア原虫　　　　　　

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7月30日に薬剤耐性マラリア原虫が東南アジア・インドシナ半島4か

国の国境地域を生息域としていて定着しているとした論文が米医学

誌「ニューイングランド医学ジャーナル」に掲載されました。

研究によると、東南アジアとアフリカのマラリア患者1241人から採

取した血液サンプルを調べると、マラリア治療の特効薬とされるア

ルテミシニンに耐性を持つ原虫がカンボジア西部と北部、ミャンマ

ー東部、タイ、ベトナムの国境地域に生息していることが確認され

ました。また、ミャンマー中部やラオス南部、カンボジア北東部で

は、薬剤耐性マラリア原虫の定着の兆候も見られたことが報告れて

います。

一方、今回調査対象地域であったアフリカのケニア、ナイジェリア

、コンゴ共和国では、薬剤耐性を持つマラリア原虫は確認されませ

んでした。

マラリアに罹った場合、大切なことは、早期診断、早期治療です。

手遅れになると、命に関わり、後遺症が残るケースが多いと言われ

ます。合併症の無いマラリアであれば、抗マラリア薬の短期的な投

与により治療が可能です。

しかし抗マラリア薬耐性のマラリアが広く見られるようになったた

め、合併症のないマラリアに対して、アルテミシニン系薬剤と他剤

を併用する治療（アルテミシニン併用療法）が第一選択療法として、

世界保健機関（WHO）によってが推進されています。

現在は、アルテミシニン併用療法が最も有効で、忍容性のある抗マ

ラリア薬とも言われています。

この数年間、薬剤耐性マラリア原虫は世界的に懸念されてきました。

論文は薬剤耐性マラリア原虫対策として、治療薬剤の投与日数を現

行の3日間から6日間に延長することが有効な可能性があるとしなが

らも、対応は急務だと訴えています。

マラリア治療には、アルテミシニンの他にも複数の薬が併用されま

す。その為アルテミシン耐性の状況下で患者の治療が長期間になっ

たとしても、併用する薬で治療は行うことができます。しかし、

100％の安全が保障されている訳ではありません。

今回の研究で、アフリカで薬剤耐性マラリア原虫は発見されません

でしたが、今後は、薬剤耐性マラリア原虫の拡大を阻止する必要が

あります。ミャンマーは、4,000万人以上がマラリアの常在する地域

に住んでいます。また、広範囲に移動する移民が居たり、インドに

隣接していることから、今後の発生予防に対する取り組みが重要視

されています。

精力的な研究にもかかわらずマラリアに関しては未だワクチンが開

発されていません。治療薬の研究も行われていますが、今なお1分に

ひとりの子どもがマラリアによって命を落とす現状が続いています。

そのため、この薬剤耐性マラリアの発見は非常に大きな衝撃を与え

るものでした。

一日も早く薬剤耐性マラリアの定着を防げればと願います。

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