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活動レポート

マラリアについて学ぼう①マラリアとは

Love is Free Campaignで紹介するマラリア。
でもマラリアって何?よくこんな質問を受けます。

ということで、マラリアについて何回かに分けて紹介をしていきます。


マラリアは蚊が媒介する感染症のこと

マラリアは、メスのハマダラカがマラリア原虫を媒介し、ヒトに感染します。

熱帯・亜熱帯地域に広く分布する感染症で、中南米の亜熱帯、熱帯地域、サハラ砂漠以南のアフリカ、インド亜大陸ならびに東南アジアを中心に世界100ヶ国以上の国で流行、全世界の半分の人口の人が、マラリアの脅威にさらされています。

マラリア原虫を持つ蚊(ハマダラカ)に吸血されることで感染します。 原虫の種類によって、熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵型マラリアの4種類に分類されます。そのうち少なくとも卵型は、南極大陸をのぞくすべての大陸で、今もマラリアを引き起こしています。

もっとも危険と言われているのが、熱帯熱マラリア原虫です。世界のマラリア感染例の約半数、マラリアの死亡の約95%を引き起こし、脳症の原因となるのがこのタイプです。熱帯熱マラリア原虫は、サハラ以南アフリカを中心に生息していて、マラリアを媒介するガンビエハマダラ蚊の本拠地も、サハラ以南アフリカになります。

マラリア原虫は、人と蚊の両方の体内を借りて増殖します。マラリア原虫に感染したメスのハマダラカがヒトを刺すと、マラリア原虫が、唾液と共に血液中に注入されます。マラリア原虫は幹細胞の中に入りこみ、メロゾイトという物質を生成します。このメロゾイトは、赤血球に侵入して増殖。感染した赤血球が破裂すると、マラリアの症状である悪寒や発熱、進行性貧血が生じます。この間約1週間から10日間ほどです。

免疫のないヒトでは、感染した蚊にさされてから、1週間以上たってから発症します。初期症状(発熱、頭痛、悪寒、嘔吐)は軽く、マラリアと気づくのは困難です。

発熱にとどまらず、脳症、急性腎不全、出血傾向、肝障害などの合併症が起き、死に至るケースが多発しています。熱帯熱マラリアは、24時間以内に治療しなければ重症化し、死亡することもあります。妊産婦やHIV感染者は、免疫力の低下からマラリアに感染すると重症化しやすく、また、栄養が行き届いてないアフリカの乳幼児なども特に重症化しやすいわけです。現在、有効なワクチンは開発されていないため、蚊帳や、殺虫剤などの予防法が重要視され、また、適切な早期診断と早期治療が必要とされています。


1分に1人、奪われる命

WHOの「World Malaria Report 2013」によれば、2012年のマラリア患者数は、約2億700万人で、推定627,000人が亡くなりました。

被害者の8割は、アフリカに暮らす、マラリアに対する免疫がほとんどない5歳児未満の子ども。
1分に1人の子どもがマラリアで亡くなっています。

重度のマラリアから回復した子どもたちの中には、学習障害や脳損傷が残ることがあり、妊婦やおなかの中の子どもたちも感染の影響を受けるリスクは高くなります。流行国では流産の60%近くの原因がマラリアとされており、大きな問題となっています。さらにマラリアは、出生児の体重低下と母体の貧血の原因にもなっています。