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視察レポート

マラウイ配布第5弾 視察2日目レポート

2日目の視察は、リロングウェから車で約3時間にあるンチェウ地区での配布となりました。

同地区は昨年も配布の対象となったのですが、コンソル・ホームズ・オルファン・ケア(CHOC)では設立以来ナミテテを含むリロングウェ近郊と並行して支援地域としています。
しかし遠い!途中何度か「まだ?」と聞いてしまいました。

ンチェウでCHOCが支援しているのは、ほとんどこれまで海外からの支援が来ていない地域。帰り際にビジターブックに氏名を記載したのですが、すぐ上の段は前回の配布時に訪問したスタッフの名前(要するに自分の名前)がそのまま記載されているほど。「これ、私の字じゃない」と思わず声をあげていました。

ンチェウ地区はチャポンバ園長曰く「展開的なマラウイの田舎」なのですが、一番近い病院へも25キロ離れている、非常にアクセスの悪い地域になります。実際CHOCは支援場所に「村の診療所」というべき保健スポットを建設していますが、これも病院へのアクセスの悪さから助かる命も失われているという現状がありました。

また近隣に大きな川があるため、雨季になると洪水や浸水の可能性もあり、それもマラリアをはじめとする感染症が発生する原因となっています。

今回配布したのは約400張程度。

初めにエイズ孤児の子どもなど、CHOCの中でもとくに支援が必要と認識され、登録された子どもたちでした。その後CHOCに登録している子どもの中で経済的困窮におかれていることや、片親であるために社会的困窮にある子どもなどを優先的に配布します。その後はCHOCでボランティアとして活動する母親や地域で主導的な役割を果たしている人にも配布をしました。

他方、配布をしている、と聞きつけ、登録している家族から何度も子どもを送りだして蚊帳を受け取ろうとするケースも。中には6人もやってきて蚊帳をもらおうとした家族もいました。もちろん必要であれば配布はするのですが、他方で優先順位をつけているその意味を十分に理解せずにただ欲しいという人もあり、スタッフが落ち着かせるのに一苦労でした。

初日の配布と同様に蚊帳の配布は事前登録と事前に蚊帳を受け取る子どもを決めて配布しようとしたのですが、地理的、物理的問題で今日までに間に合わなかったとか。

また、ンチェウでの「ボランティアは誰なのか」「どこまでがボランティアなのか」というそもそも議論まで飛び出ることとなり、なかなか興味深い議論を聞くこともできました。

経済的、社会的に困窮している地区ではみんなが助け合い、そして意識を持って子どもをケアすることになります。配布に立ち会った村のチーフからも「CHOCはあくまでもサポートする人たち。子どものケアをするのは私たちなんだ。私たちが意識を持って子どもをサポートしよう。子どものサポートは私たちの未来につながる」というスピーチは、本当に印象的でした。

しかしこの「子どもをサポートする」のがどこまでがボランティアの活動なのか、善意なのか、判断が難しい、、、というのが今回の配布の混乱の一番の理由だったのかもしれません。

最終的にまだ蚊帳が残されているので、現地での話し合いで配布先を決定することとなりました。
配布に当たっては同時にボランティアスタッフによる「栄養プログラム」の一環でメイズやキャッサバなどの粉を使用したおかゆ状のものが作られ、子どもたちに提供されていました。この栄養プログラムはとりわけ経済的困窮状態にあるエイズ孤児や家庭を対象に配布されており、それによって子どもが健康に育ち、学校に通い教育を受けることを可能にしています。

配布の帰りに道には片道5-6キロをかけて受け取りに来た子どもたちの姿を帰り道で何度も出会いました。配布の対象地域は遠くは片道10キロ近くにまで上ります。そんな遠い距離を蚊帳を受け取りに来てくれた、その重みをかみしめずにはいられません。

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