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視察レポート

セネガル訪問3日目レポート:ダカール中央卸売魚市場~ダカール・サクレクール

3日目に訪れたダカール・サクレクールは、そんな彼らの夢への一歩となるフットボールアカデミーの一つ。

プロ選手の養成や年齢に応じたサッカー教室の運営、また運営だけではなく子どもたちを対象にした情操教育が60人いる専門スタッフによって行われています。

現在サッカー教室に通う生徒は約1500人。二部リーグにも所属するチームを持つダカール・サクレクールは、しかしながら、「経営は大変なんですよ」とオーナーは語ります。

日本では当たり前の芝生や人工芝のグラウンドは、セネガルでは一から作らないといけません。またその維持は大変です。

現在所属し、給与が支払われているプロの選手たちは最高でも月収1000ユーロ。その多くは約500~700ユーロといわれます。彼らの夢はいつかスカウトの目に留まり、ヨーロッパのサッカークラブに入団すること。またそうしたサッカービジネスもアフリカ各地で育ちつつあります。

他方、このサクレクールでは、子どもたちを対象にしたサッカー教室も開催されています。

整備されたグランドでのサッカー教室には、地元の子どもだけではなく、多くのインターナショナルスクールに通う子どもたちももたくさんいることから、地区のサッカー教室とは異なり、子どもたちの間での差別が発生しないことを考慮し、サッカー教室後に開催されるアクティビティで「差別を行わないように」「マラリアに気を付けよう」「交通事故に注意しよう」などの様々な取り組みが行われます。

今回岩本さんが参加したのは約30名のサッカー教室。日本人の子どもも7人参加しました。子どもたちのミニゲームに岩本さんも参加。「みんな運動神経良いね」と感心しています。

世界どこでもサッカーは、ボール一つでできるという手軽さと、ゲームの面白さは共通です。

子どもたちが真剣にボールを追いかけ、ゴールを追う姿は、本当に観ていてもわくわくするものでした。

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日本とセネガルのつながり 魚市場にて


視察の3日目の朝には早く出発して、ダカールにある中央卸売魚市場へ。ここは1日8500名が訪れる日本の築地のような場所です。

セネガルは代表的な料理である「チェブジェン」という魚の炊き込みご飯にあるように、国民一人当たりの年間魚消費量が約30キログラムとアフリカ諸国の中でも突出しているほか、水産物が国民の摂取動物性たんぱく質の7割を占めることから、この卸売魚市場の存在は非常に大きな意味を持っています。

日本は1992年にODAで卸売市場の建設とブロックアイス製氷機を提供したほか、さらに市場の拡大に応じて市場の拡充を行うなど、セネガルの水産業のサポートが行わってきました。20年以上も前に設置されたブロックアイス製氷機もいまだに現役で活躍、魚を新鮮な状態でトラックに乗せ、地方で輸送するのに役立っています。

セネガルでは朝小舟で網や釣りでとられた魚がこの卸売市場に運ばれ、小売業者が購入、各地で販売されています。朝4時から10時ころまでにぎわう、この市場には、市場にやってくる人を目当てにした食べ物や雑貨の販売などでごった返していました。

セネガルの人にとって身近な魚は、セネガルの通貨である2000 FCFA(セーファーフラン。日本円で約400円)紙幣に印刷された魚にも見ることができます。 年間漁獲量40万トンの中には日本でなじみがある魚も。日本では高級魚であるフグも、こちらでは1匹300円ほどで購入できるとか。また太刀魚やハタのような、日本でもなじみ深い魚もたくさん扱われています。「ないのはサンマくらいですかね」とは案内していただいたJICAの方のコメント。日本にもセネガルからタコやイカ、太刀魚が輸出されているのだそうです。

「すごい活気だよね」と感心する岩本さん。本当に私たち日本人にとってどこか懐かしい、そして親近感がある景色を見ることができました。

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