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視察レポート

マラウイ訪問2日目レポート~ンチェウ地区へ~

配布2日目は、今回初めて配布対象地域となったンチェウ地区へ。
リロングウェでCHOCのチャポンバ園長夫妻と待ち合わせして、車で約3時間、モザンビーク国境近くも通り過ぎながら、移動します。

雨期に当たるこの時期、マラウイの主食であるメイズ(マラウイでよく食べるシマというご飯の原料となります)畑が続く中、蚊帳を乗せたトラックは一路ンチェウ地区へ。

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いくつものマーケットや検問を通り過ぎ、でこぼこ道を通り過ぎて、ようやくンチェウにあるCHOC支部に到着しました。

ンチェウではたくさんの子どもたちが出迎えてくれました。

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ここンチェウ地区は11,000人の子どもが登録し、支援を受けています。
ナミテテ地区の本部と異なり、ここではフルタイムスタッフはわずか3名。多くが地区内の各村のリーダーたちと連携しながら、コミュニティメンバーが中心となって運営しているのが特徴です。

支部の建物自体も、コミュニティが建設、CHOCに無償で提供していました。
この支部では子どもたちのケアはもちろん、妊産婦の健康改善のための簡易な保健センターもおかれるなど、地区の中心的な役割を果たしているのです。

今回配布を行ったのは500張。
ナミテテ同様に、子どもの家庭状況や家庭の経済状況を考慮し、
 母子感染によりエイズに感染している子ども、
 両親がエイズ関連疾患で亡くなった子ども、
 片親がなくなっている子ども(特に経済的に弱い立場に置かれる母親に育てられる子どもが優先)、
 両親がいるものの、経済的に困窮している家庭の子ども
と優先順位がおかれ、配布対象となります。
また、ナミテテ同様に、高齢の女性、ボランティアスタッフも配布の対象となりました。

1日目に続き2日目も配布前に必ずチャポンバ園長によって蚊帳の使い方の説明をします。
マラウイで今回配布する蚊帳を購入する場合、価格は4,000クワチャ(約1,000円)。
1日1ドル以下で暮らす人も多いここマラウイでは非常に高額な商品でもあります。

この蚊帳を市場で売ろうとしたらお店で手に入れられる金額は約150クワチャ(150円)。
「それでチョコレートやお菓子が買えるかもしれない。でも4,000クワチャの蚊帳があることで、君たちはマルンゴ(現地のチェワ語で「マラリア」の意味)にかからずにすむんだ」とのメッセージに、会場にいた人が強く頷いていました。

配布で蚊帳を受け取った子どもたちは、建物の外に飛び出していきます。
幼い子どもたちは、持ち帰っても使い方がわからないこともあるので、必ずボランティアスタッフが各家庭を訪問し、使い方を家族に説明するほか、マラリアに感染しやすい、まだ免疫のない幼い子どもを優先的に蚊帳の中で寝かせるよう、教えることになっています。

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子どもたちはここから歩いて自分たちの家へ、蚊帳を持ち帰りました。
1分に一人、子どもが、マラリアで命を落とす現実。蚊帳は、子どもたちがマラリアにかかることを防ぐだけではなく、病気にかからないことで体力を維持し、学校に通い、学ぶチャンスにつながります。

蚊帳は、子どもたちの健康と、未来への足掛かりでもあるのです。

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